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宇宙で一番美味しい食べ物

ちょうど一週間前、宇宙で一番美味しい食べ物を食べた。
忘れることの出来ない味ではあるが、文字にして説明することもできない味である。
宇宙で一番美味しい食べ物を中々リーズナブルな価格で食べられた経験は、かなり貴重であった。
自分はとても運が良かったと思う。

しかし、物事には悪い側面も必ずある。
宇宙で一番美味しい食べ物を食べてから、普段の食事に異変が起きた。

何か新しいものを食べても、「これ前食べたことあるわ」となってしまうのだ。
結局、以前食べたことの無い食べ物を食べた時の感想はいつもこうなる。
「前に食べた時の方が美味しかったなー」
前に食べたことないのに。

以前に食べたことあるものについては言うまでもない。
これではいちいち食事がつまらなくなる。

宇宙で一番美味しい食べ物は全ての美味であったのだ。

誰かが、「スイカを醤油で煮込んで、イソジンで炊いたご飯にかけて食べると美味い」と言っていた。
少し前ならどんな味なのか想像もつかなかっただろうが、宇宙で一番美味しい食べ物を食べた後だと、だいたい想像できる。
スイカ醤油イソジン炊きご飯がもし美味しかったとしたら、こんな味だろうな、とわかる。
「どんな味がするんだろ〜」と心躍らせることはもう無いだろう。

だから、私は不味い食べ物を食べることにした。
思うに、美味しさは何だかどれも似通っている。
比べて、不味さは実にバラエティの富んでいる。
ロシアの文豪トルストイもこう言っている。
『幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である』

料理の価値は美味さのみにあらず、不味さにもある。
料理が苦手で焦っている女性は、胸を張って不味い料理を続ければ良い。
それに高い価値を見出す人間もいるのだから。