おすしブログ

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人生のエイプリルフール、蟹うまい

晦日の深夜に微酔いで国道沿いを歩いていたけど全然人がいなかった。そもそも深夜に地元の国道沿いを歩かないから知らないけれど。居酒屋の店員さんはめちゃくちゃ気怠そうだった。普段行かないところだから知らないけど。とにかく寒かった。カタカタ震えていた。カタカタというのは歯と歯がぶつかる音。

元旦に叔父に会った時も寒かった。寒いですねって連呼した。まだカタカタしていた。カタカタ。車で来た叔父はノンアルコールビールを飲んでいた。僕にも注いでくれて飲んだ。ビールより美味しかった。麦茶より不味かった。

大きな食卓の上は鮮やかだった。叔父は今年で還暦だそう。干支三周分の歳の差。叔父はこういうことを言った。

 

人生を72年として、6年が12セット。その6年を1ヶ月と考えると、人生は丁度12ヶ月となる。おじさんはいま10月だ。君はちょうど4月1日。人生のエイプリルフールだね。がはは。

 

蟹があった。蟹は旨い。本当にうまい。牛肉より旨い。蟹を食べながら思った。4月かー。これから梅雨があってじめじめしていやだな。どんどん暑くなっていくなー。蟹の身の中に透明な腱が隠れている。いわゆるスジ。ときどきスジを見つけられずにそのまま食べる。ほぼ間違いなくスジが口の中に入る。10月はいい季節だなぁと叔父は言っていた。10月はいい季節だ。すこし涼しいし、一年で一番動きやすいんじゃないかな。スジを最初に取って、ぱくっと食べたい。スジを見つけられなかったら終わりだ。

とりあえずぱくっといって、歯とかうまく使ってスジを除ければ不安もないのかもしれない。カタカタ。

 

元旦の昼間、近所を歩き回った。知らない家が何軒も建ってる。知ってる家もあったり、消えていたり。なんか全部小さく見えた。ひたすら猫を撫でる帰省。猫はときどき嫌そう。ごめん。猫。蟹。4月。2020年。元旦。