木製ブランコ
実家の隣の家の中庭に木製のブランコがあった。
隣の家には僕の一個下の男の子と四個下の女の子がいた。夏休みになると時々遊んだ。水遊びをしたり、お互いの家でよくわからない映画を見たりした。
小学六年生の夏休み最後の日に隣の家の庭でバーベキューをした。とても美味しかった。バーベキューなんてほとんどしたことがなかったから、炭火の風味が新鮮だった。
バーベキューが終わりかけたとき、僕は木製ブランコに座りながら夜空を見ていた。意識すると夜空に点々と星が見えることに気づいて、じっと眺めていた。
夏休みが終わることが悲しくて色々なことを考えた。時間は過ぎ去ってゆくものだと実感した。
ついさっきまで自転車に乗っていた。今は梅雨で、蒸し暑くもうすぐ夏が来そうな感じである。木製ブランコに腰掛けてから10年以上経った。あれから無数の思索があったはずなのに、大して何も考えてこなかった感じがする。
自転車を漕いでいると色んな考えが浮かんでくる。
走り去って行く僕を野良猫が不思議そうな目で見ていた。野良猫は自転車とバイクの区別がついているのだろうか?
階段と梯子ってどっちが先にできたんだろう?
階段作るときに梯子って必要ぽい感じがするけど、梯子は階段なくても作れるよね。
車って機械なのに雨に濡れても大丈夫なのすごいな〜。車ってひっくり返したら昆虫みたいだ。そう考えるとフォルムも昆虫ぽいのかも。
いまだいたい生まれてから24年経ったらしいけど、全然そんな感じがしない。半年くらいしか経ってない気がする。全然積み重なってる感じがしない。
ちょうど1ヶ月前の天気が明日の天気と関係ないように、10年前の自分が考えたことが今の自分にあんまり影響ないような気がする。
なんでパスタにカレーをかける料理は流布していないんだろう。
いつか犬も人間の言葉を完全に理解できるように進化するのかな。
高い壺って落としたら割れるという儚さが逆にいいのかもしれない。
まじで嫌なことって日常生活でどのくらいあるんだろう。意外とないような気がする。
そろそろ行かなきゃいけない。今この瞬間は何も思うことないな〜。はぁ〜〜眠たい〜。